08-01 著者:admin
トヨタ自動車が1日発表した令和6年4~6月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が16・7%増の1兆3084億円となり、4~6月期として過去最高を更新した。車の量産に必要な「型式指定」の認証不正の問題などを受けて国内販売は前年同期から約2割減少したものの、北米を中心とするハイブリッド車(HV)の販売拡大や円安の収益押し上げ効果が補った。売上高は12・2%増の11兆8378億円、純利益は1・7%増の1兆3333億円で、営業益と同様に最高だった。
トヨタブランド(高級車のレクサスを含む)の販売台数は1・9%減の249万1千台とほぼ横ばいだったが、収益性の高いHVが23・8%増の99万8千台と好調だった。円安による利益の押し上げ効果は3700億円に上り、売上高に対する営業利益率は前年同期の10・6%から11・1%に上昇した。
世界の自動車市場は電気自動車(EV)の成長鈍化や中国メーカーとの価格競争で収益環境の厳しさが増している。EV大手の米テスラの4~6月期は営業利益が33%減り、営業利益率は前年同期の9・6%から6・3%に大幅悪化した。
こうした中、トヨタはEVより割安なエコカーとして再評価されているHVの強みが、認証不正や価格競争の逆風を跳ねのけた。
ただ、先行きには不安材料もある。7月31日には新たに7車種で認証不正が発覚し、国土交通省から是正命令を受けた。EVで先行した現地メーカーの攻勢が続く中国事業も4~6月期の営業利益(持ち分法の投資損益を含む)が595億円と前年同期から484億円減少した。
日銀の追加利上げで円高が進行するなど為替動向も不透明なため、7年3月期の業績見通しは、売上高が前期比2・0%増の46兆円、営業利益が19・7%減の4兆3千億円、純利益が27・8%減の3兆5700億円と従来予想を据え置いた。